browser icon
You are using an insecure version of your web browser. Please update your browser!
Using an outdated browser makes your computer unsafe. For a safer, faster, more enjoyable user experience, please update your browser today or try a newer browser.

3月までの出来事

Posted by on 2013年3月31日

昨年末以来、身辺に病人、借りている土地(元夢人館のあった地域)の値上げ問題、大西和男さん追悼集の思いがけない評判のため嬉しい多忙、そんなことに振り回されて細かい詩に関するご報告を全部パスしてしまいました。思い出す順に書いておきます。

まず松尾直美遺稿翻訳詩集「解放されて」(ドイツ現代詩・花神社)がやっと出来上がりました。 なんと死の年から4年以上が経ってしまいました。エルゼ・ラスカー・シュラー、エンツェンスベルガー、など著名なドイツ詩人から、ふと知り合った詩人の作品まで楽しげに訳していった彼女の日々が生き生きと此処にあります。ほとんどのものが「詩学」紙上に長期連載されたものです。松尾直美は私の小学校6年生以来の仲良しで、音楽家を志していたのですが、なぜかドイツ文学にのめりこみ大学教授として生涯を過ごした女性です。私は自身が美術書の出版をする身となり、メンデルスゾーン、エルツェなどドイツ語圏の画家を扱う時はいつも彼女と旅を共にし、その美しいドイツ語の会話によってドイツの識者たちの信用を一気に集めてもらいました。音楽を志した人だけに発音の美しさはとびきりだったのです。

昨年末に頂いた詩集では与那覇幹雄さんの「ワイドー沖縄」に非常な感動を受けました。あまり に熱意のこもった礼状を書いたらしく、すぐ与那覇さんから電話があり、その後彼は私のことを友人知人に「ぼくのお姉さん」と告げるのでにぎやかなことでした。ま、お母さんと言われなくてよかったか。私たちは会ったことがないので、どんな弟か、外で会っても分かりません

3月初旬。詩人クラブ出版のアンソロジー「現代詩選」がやっと出来上がりました。私は美術担当なので、やはり絵の効果が一番気になります。今回九州の画家伊藤研之(故人)の作品10点余りを使わせていただきました。大成功と思っています。いかにも詩人好みな繊細で夢がかった絵がカバーを飾ってくれました。画家の絵は福岡の市立美術館に収蔵されているほか、県立美術館では遺作展も開かれたことがあるので作品のいくつかは皆さんの目にふれることがあるでしょう。

昨年暮れに頂いた詩集「となりにゐた人」(秋吉康著)花神社 についてももっと早くご紹介したかったのに、ほんとうに遅ればせとなってしまいました。彼は故大佛文乃さんの詩集や詩碑のためにご尽力のあった人で、ご自身の詩集はこれが初めてということです。詩集出版の折にはご相談にのるつもりでいたのに、私の家庭の事情で何の力にもなれず恥じ入っておりました。しかし詩集はさりげない表現の中に清らかな悲しみと温かさがあって、私にやさしく語りかけてくれるものでした。詩集のタイトルだけは彼の詩篇の中から私が選ばせてもらったものです。私の生涯で私の隣にいた人って一体何人いたのだろうか、そしてそのほとんどの、ある日ある時間の隣人を、私が思い出すことも、記憶していることもないのだという、変に茫漠とした気分にさせられたのでした。一読お薦めしたい詩集です。

ごく最近いただいた詩集「毛のむしられたエスキース」(赤木三郎著)は嬉しい詩集でした。私は著者と10代から同人誌を共にした間柄なのに、会ったのは50代という不思議な友人です。夢の中に生きているようなこの詩人と夢を調理してやろうと出刃包丁を構えている私とでは距離がありすぎて、ただその作品をうっとり読むばかりです。でも久々の纏まった詩集を心から喜んでいます。

同人誌「きょうは詩人」24号の初校校正が終わりました。4月下旬にはお送りできると思います。

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

Copyright © Mujinkan All Rights Reserved.